実は、最初私がやるなんて思っていなかったの。松下さんが人の集まる場所になってほしいと言っていたのを『ふ〜ん』って聞いていただけだった。まさか自分がやることになるなんて…(笑)
そう笑った市野さんには引きこもりがちなママだったなんて感じさせないものがある。NPO法人地域福祉サポートちたで働き始めて、少しずつ「自分らしさ」を取り戻しつつあったころ、NPO・ボランティア情報ひろばを活性化するための喫茶やサロンの構想ができ始めた。先行事例の話を聞きに行こうと誘われ、行った先で出会った多治見市のママズカフェ(*2)や四日市市のコラボ屋の話に「自分でも何かできるのかな?こんな場所が近くにあったら良いのにな」と期待を膨らませた。
初めは5,6人のお弁当作りからだったの。それが何回か受け持っているうちに10人、20人になって…。しかも、今井さんと一緒に作っていたはずだったのに「あれっ?」って思う頃には1人で作るほうが多くなってた(笑)カフェができたときもそうだった。「次はこれ。次はあっち。」と今井さんが引っ張ってくれた。それに対して次々対応しているうちに気がついたら自分の後ろに道ができていたんです。だから、今井さんがいなかったらできなかったし、今でも気持ちは頼っています。
Ada-codaを始めてからも市野さんはどんどん変化していった。自分なりに工夫したサロンのレイアウト、フェアトレードのコーヒー豆やなちゅ卵(*3)を使ったケーキなどメニューへのこだわりも見られる。きらきらと輝きだした市野さんと共にサロンは温かみを増し、日ごとにサロンへ足を運ぶ人も多くなっていった。
Ada-codaは現在市野さんをいれて6人のメンバーで運営している。日替わりランチはそれぞれの持ち味を活かしたランチでなかなかの好評だ。開店当初思い描いていたイメージとはかけ離れたものになりつつあるが、最近はそれでも良いと思い始めているという。「Ada-codaを心配して、気遣ってくれる気持ちが嬉しい」そう思えるようになったと…。
不安を抱えて、毎日大変そうだった他のメンバーも、今ではAda-Codaを支える1人として活躍している。中には市野さんのように今まで安心して話ができる場所や人が限られていた人がAda-Codaでランチを作るようになってからそれらが増えたという話も聞く。「愚痴でも本音でも、今まで誰にもいえなかったことが言える相手が大事」そう言われた市野さんは少し照れくさそうだった。